海外FXの確定申告で節税をする必要性

海外FXの確定申告で節税をする必要性

国内FXとは違うので注意

国内FXで利益を得た場合と、海外FXで利益を得た場合とでは、確定申告する際の徴税方法が違うので注意が必要です。トレーダーのなかには、日本のFX業者で取引をしていて、海外の業者が有利であることを知って乗り換えるという人も多くいますが、確定申告で2つがまったく違う課税方法なのに驚くというケースが多くありますので注意しましょう。国内業者を利用して得た利益は申告分離課税という方式で課税されます。これは給与所得などとは分離して課税する方法で、FXトレードで得た利益のみに一律の税率をかけて申告するものです。利益が100万円であろうと1億円であろうとまったく変わりません。また、損失を繰り越して翌年の利益と損益通算することが可能です。ところが、海外FXはたとえばアフィリエイトの収入やネットショッピングなどと同様に、雑所得として総合課税されます。雑所得は年間の利益が20万円以上のときに課税対象となり、他の所得と合わせて年間195万円以上のときに税率が上がります。税率アップのハードルは195万円、330万円、695万円でどんどん上がっていきます。また、単年申告となっており、国内FXのように年をまたいで損益を通算することができません。

節税が必要

そのため、何の節税対策もしなければFXの収益に対してそのまま高税率がかけられる事になってしまいます。FXトレードを行うにあたっては、様々な経費がかかっているはずですので、それを所得から差し引いて申告をしましょう。特に195万円と330万円の壁は大きいはずです。研究を重ねて毎日地道にFXに取り組んでいる人であれば、この程度のハードルは乗り越えています。税率が10%上がるだけでまったく支払う税額は変わってきます。何でもかんでも経費として計上するわけにはいきませんが、できる限りのことはしておきましょう。海外FXが雑所得として総合課税の対象であり、累進課税されるのは、海外FX業者が日本の金融庁認可のある業者ではないからです。国税庁のホームページにも記載されているように、金融商品取引法で定められている店頭デリバティブ取引には該当していないのです。海外FX業者としては、日本の金融庁から認可を受けるには、最大の売り物であるハイレバレッジを止めなければいけません。そのため、海外業者は日本の認可なしで運営しているわけです。

経費を計上しよう

海外FXでの利益は雑所得ですので、経費が認められます。アフィリエイトで稼いでいるなら、ブログサービスの利用料金は経費ですし、ネットショップを経営しているなら登録料は経費です。同様に、海外FXで利益を上げるために必要になった費用は経費として計上可能です。確定申告ではFXトレードで1年間に得た利益から必要経費と所得控除額を差し引いた額を課税対象額とします。基本的には、利益を得るために使ったお金はすべて必要経費として認められますが、なかには微妙なものもあって、最終的に判断するのは税務当局です。近年では海外FXで大きな利益を上げる人も多く、税務当局でも理解が進んでいます。

何が経費になるか?

経費として認められる可能性が高いのは、海外FXの勉強のために買った書籍です。また、情報収集のために登録した有料メールマガジンや有料のニュースサイトなども必要経費として認められます。海外FXに関連したセミナーを受講したら、その受講料や会場までの交通費も経費になります。トレーダーとの情報交換の際に食事会を催したら、その飲食費も必要経費になるでしょう。海外FX会社の担当者と打ち合わせをしたら、そこ現場までの旅費は出張費として扱うことができます。海外FXのトレード環境を整えるための費用も経費です。パソコンやモニター、マウスなどを新調したら経費として計上しましょう。微妙なものですが、海外FXトレードの情報や、サイトの閲覧のために英語を勉強したとしたら、必要経費として認められる可能性があります。海外FX業者のなかには、レバレッジやトレード環境が優良であるのに日本語サイトを開設していないところも多く、そういった業者を利用するために英会話の学校に通ったとするなら、費用は経費にできる可能性があります。ただし、スプレッドは取引のための手数料ですが、すでに取引した時点で業者が経費分として差し引きをしているので、経費として認められることはありません。

海外FXで節税をするなら税制を理解しよう

計算方法を知ろう

海外FX業者は、国内の業者に比較してハイレバレッジでのトレードが可能という点や、ゼロカットシステムなどを利用してリスクを抑えられるという点がメリットです。そのため、トレードの仕方によっては国内業者よりも利益を上げやすい環境にあります。ただし、国内FX業者を利用する場合と海外FX業者を利用する場合では税法上の計算の仕方に違いがあるので、正しく理解しておく必要があります。海外FXから得た利益は、所得税の申告においては雑所得に分類されます。雑所得は累進税率が適用される総合課税という扱いです。そのために、所得が多くなればそれだけ税率は高くなり、最高で税率45%が適用されることがあります。さらに住民税もかかりますので、多くの利益が税金として徴収されてしまいます。効果的に節税していきましょう。

所得控除を活用

所得税については様々な控除が認められており、海外FXからの利益を含む総所得の部分を圧縮できます。基礎控除や配偶者控除、扶養控除などの人的控除もありますし、医療費控除や雑損控除、また寄付金控除もあります。当然のことですが社会保険料や生命医保険料でも控除されます。生命保険には前もって払込をしておき、その後に解約して返戻金を受け取れるシステムのものもあります。解約返戻金目的で加入することは法的には問題がないので活用しても良いでしょう。寄付金は、その年内に一定額以上の寄付をすると寄付金から2000円を差し引いた額が控除対象金額になります。

内部通算をする

海外FXは雑所得という扱いですので、その年内に生じた損失は損益を通算できます。同じ年のなかで海外FXで損失が出た場合には利益分と相殺可能です。また、他の雑所得として扱われるものと内部通算しても良いことになっています。アフィリエイトやネットショッピングで損失が出ているのであれば、それと合算して総所得を圧縮することが可能です。

海外FXの節税で必要経費として認められるものは?

必要経費とは?

海外FXは雑所得ですので、副業として行っている場合でも利益を上げるために必要になった費用については、必要経費として計上することが可能です。FXで出た利益から必要経費を差し引いて申告すると、総所得を圧縮できますので、結果的に税金は安くなります。海外FXはハイレバレッジでゼロカットシステムがあるため、利益は上げやすい環境となっており、税金がかかってくる年間20万円のラインを超えることはそう難しくありません。その利益を上げるのに必要であったことを認めてもらえれば良いのです。

FXトレード環境の整備

海外FXの口座を開設している人のほとんどはパソコンからでしょう。このパソコンの購入代金は減価償却費として経費にできます。ただ、パソコンはFXトレード以外にもプライベート使用分があります。このとき、プライベートで使用する時間とFXで利用する時間を比べて、割合を出してみます。1週間パソコンを使う時間が10時間で、FXトレードを行う時間が5時間であればパソコン代の50%を必要経費にします。完全にFXトレード用のパソコンを購入したらそれは全額経費です。モニターやマウスもトレード専用のものを購入したら全額経費として計上しましょう。

FXの勉強にかかったもの

海外FXは単に口座開設をすればできるというものではないでしょう。多くの人はまず書籍などで勉強しているはずです。FX投資に関する書籍は、利益を上げるために必要なものですから、これは必要経費となります。また、FXトレードや初心者用の講座・講演などに参加したとき、その参加費用は必要経費です。この会場に出かけるための交通費も経費に計上できます。トレーダーのなかには、セミナー参加のために着ていくスーツにかかった費用を経費とした人もいます。FXトレードをやるための勉強として経済ニュースの有料サイトに加入した場合や、経済新聞を購読するようになったら、それも経費として計上可能です。

海外FXの節税で多少思い切った方法

必要経費として微妙なものもある

海外FXは、やり方次第とは言っても、かなりの利益が上がることがあります。雑所得では年間20万円以上の利益があればサラリーマンであっても確定申告の義務がありますし、195万円を超えると税率も上がります。その程度であれば真面目に取り組んでいる人なら高いハードルではないでしょう。問題になるのは節税です。FXトレードに絶対必要なものとして、たとえばパソコンやその周辺機器、勉強のための書籍などがありますが、他にも必要経費として認められるものはあります。家賃や光熱費、家具などにかかったお金はかなり微妙ですが、知識としては覚えておくと良いでしょう。

家賃は必要経費?

海外FXで利益の上がっている人に対する節税アドバイスで微妙な扱いを受けているのが家賃です。たとえば2部屋に分かれているマンションに賃貸で住んでおり、そのうちの1部屋を完全にFX専用の部屋とします。そのとき、家賃の50%を必要経費とするというものです。サラリーマンが副業として行っている部分を確定申告する際に使われるのは白色申告と呼ばれるものですが、ここでは必要経費として家賃を認めさせるには、完全に50%はFXだけに使っていなければなりません。自営業者が使う青色申告では10%や30%であっても経費ですが、白色申告では50%以上でなければ認めてもらえません。

光熱費は?

光熱費も微妙な経費です。FX用のオフィスを借りているなら、その家賃も光熱費も経費ですが、通常は自宅での作業でしょう。そこでかかる光熱費を経費として認めてもらえるかは微妙なところです。また、パソコンを使うために必要な家具を揃えたのであれば必要経費ですが、それを私用していた場合には、これも微妙な判断ということになります。必要経費として認めされるには、丁寧に書類をまとめて領収書などを用意しておいて、「これはFXの利益を上げるために必要だったのだ」と説明できるようにしておきましょう。

両建てを使って節税する

両建てとは?

両建てとは、同じ通貨ペアで買いと売りのポジションを同時に持つことです。通常は相場が動いたとき、片方は含み益、もう片方は含み損となるため、損益はプラスマイナスゼロとなり、その意味ではメリットは少ないと言えます。ところが、これを使って節税する方法があります。含み損が出たポジションを年内に決済して、含み益が出たポジションを年明けに決済するのです。利益を先送りしただけですが、たとえば税率が上がる195万円や330万円のラインを超えるかどうかの微妙なところで年内の利益が確定しそうなときに役立つでしょう。

両建て節税のやり方

12月の時点でのFXの利益が250万円だったとすると、ここにかかる税率は195万円を超えているので20%になります。あと55万円を節税できれば税率を下げることができるという状態です。ここで、たとえば米ドル・円を10万通貨ずつ両建てしてみましょう。ここときのレートが1ドル=100円で、12月末のポジションを保有していて、レートが1ドル=90円にまで変動したとすると、一方では100万円の含み損、もう一方は100万円の含み益になります。ここで含み損のほうのポジションだけを年内に決済すると100万円がマイナスとして計上され、250万円だった利益が150万円となります。すると税率も下がりますし、総所得から支払う税金の額も少なくなります。含み益が出ているポジションは年明けに決済しておきましょう。

両建てのデメリット

ただし、この両建てには多少のデメリットもあります。ひとつには売買のための手数料がかかることです。2つのポジションのスワップポイントの分の差額も損失となります。また、年末から年始の間にレートが変動したとき、残しておいたポジションの方に損失が出るリスクがあります。もし大きくレートが変動したらかなりのリスクになるでしょう。相場の急変は大きなリスクになりますので、実際に試す場合には要注意です。

海外FX口座のボーナスを使った節税

利益を少なく見せる

海外FXに限らず、副業・本業の区別を問わず、節税でポイントになるのは利益をどうやって少なく見せるかということです。確定申告の際に、本来よりも利益が少ないことを示すと節税が可能です。当然、脱税は問題ですが、合法的に利益を少なく見せる方法は数多くあります。200万円の利益があったところを150万円の利益だったと見せることができれば、50万円分の税金は支払う必要がありませんし、195万円のラインを下回っているので税率も抑えられます。経費を計上するのも、利益を少なく見せる方法ですので、可能な限り経費は計上しておきましょう。

入金ボーナスで出た損失

海外FX業者の多くが入金ボーナスを提供しています。ボーナスはトレードの証拠金として使うことができ、実際にユーザーが入金した以上の証拠金でトレードができるという資金効率の良さがメリットです。このボーナスを使って行ったトレードで負けたときには、税金を考えると有利に働きます。たとえばXMのように入金で100%のボーナスが出るとき、ここに5万円を入金するとトレードで使える証拠金は10万円になりますが、ここで失敗してゼロカットシステムが発動して口座残高がゼロ円になったとします。このとき、トレードで失敗してユーザーが被った損失は事実としては入金額の5万円ですが、見かけのうえでは証拠金10万円の損失になります。

法律上は大丈夫なのか?

ボーナスを使ったトレードでの失敗を損失として計上して、法律上の問題は発生しないのかという疑問を持つ人も多いでしょう。ボーナスはコンビニで買い物をしたときに付与されるポイントと同様で、金銭的価値のあるものです。もらったポイントで買い物をすることは違法ではありません。同様に、付与されたボーナスは自分のお金ですので、これがゼロになったらその分は損失として扱うことが可能です。実際に多くのトレーダーがこの方法で申告しています。

法人化すると節税の幅が広がる

法人化して業務とする

FXトレードには向き不向きがありますが、向いている人にとっては楽しみながらお金も稼げる方法です。なかには年間で数千万円単位で稼ぐ人も珍しくありません。会社員として勤めながら、月に100万円単位の利益を出している人もいます。こういったプロとも呼べるトレーダーの多くが自分のFX業務を法人化しています。会社を設立して、投資業務を会社の定款に盛り込むことによって、FXの利益を総合課税ではなく、商法上の事業収入としています。もしFXで大きな成功を収めているのであれば、思い切って法人化してみましょう。

法人化の節税メリット

海外FX業務を法人化すると、個人が雑所得として申告するよりも遥かに節税効果が上がります。FX投資を業務とする会社としての事業収入ですから、年間所得が800万円以下は税率が15%、800万円超であれば税率25.5%です。海外FXは累進課税なので最大で45%から50%程度の税率が適用されるため、それに比較すると格段に低い税率と言えるでしょう。会社員として勤めながら起業することはもちろん違法ではなく、そのまま勤め人として業務を行いながら海外FXで稼ぐことが可能です。会社員でありながら不動産を所有していて、その家賃収入をもらっている人もいます。

必要経費の範囲が広い

個人の投資家として副業で海外FXで利益を上げている場合に比較して、法人の場合には必要経費の幅が広くなります。役員や社員への報酬という形を取ることができますし、自分で各種の保険料を支払えば、それも経費です。税理士に税務関連を依頼した場合の報酬、自分で使う自動車の購入費も必要経費として計上できます。法人の設立には登録免許税や定款の認証に手数料がかかるなどの費用が発生しますが、これは最初だけです。後は税理士に任せてしまいましょう。また、海外FXで発生した赤字は単年でしか決算できませんが、法人にすると最大9年間損失を繰り越すことができます。これも大きなメリットと言えるでしょう。

海外FXの利益はオフショア口座で節税できる?

オフショア口座とは

オフショアとは、広い意味では海外口座全般を指しますが、一般的にはタックスヘイブンと呼ばれる租税回避地のことを意味します。租税回避地は、たとえばバハマ、ケイマン諸島などで、ここは税制上の優遇を受ける金融特別区になっており、そこでは無税に近い税制が採られています。日本に比較するとかなり優遇されている香港やシンガポールの銀行口座も一種のオフショア口座と言えるでしょう。HSBCやシティバンク、スタンダートチャーダード銀行が有名で、多くの日本人が口座を持っています。

節税に使えるのか?

オフショア口座を開設して、そこから資金を出し入れしてFXトレードを行うと、税制上も優遇されることになります。副業として行っていたFXトレードが年間数千万円程度の利益を生むということも珍しいことではなくなっており、チャンスがあれば誰にでも可能な収入です。海外のオフショア口座は日本の金融当局の規制が適用されません。ただし、日本に居住している限りは日本の税制度の範囲内ですので注意しましょう。日本の非居住者となれば日本の税制から免れることが可能です。

居住者と非居住者の違い

日本の非居住者となるには、単に住所を移しただけでは認められません。日本でも投資によって多大な利益を得ている人が増えつつあり、国税庁でも監視を強めています。基本的には1年の半分以上を海外で暮らしていなければ海外在住者とはなりません。日本は税金の取り立てにおいては非常に厳しい国のひとつで、海外移住者に対しても調査を行っています。たとえば海外で6ヶ月暮らして日本に帰国する生活をしたとしても、両親や友人との付き合い、メインバンクはどの国のものかなどを総合的に判断して決定します。オフショア口座を利用して節税するのは、なかなか難しいと考えましょう。日本に住み続けながら、海外口座や海外法人などによって日本の税金を逃れるのは、かなり困難です。思い切って生活拠点を移す以外には方法はありません。

海外FXでの節税のしすぎは脱税を疑われる

必要経費の考え方

実際に確定申告を行っている人であれば分かることですが、税務署は意外に必要経費を認めてくれます。サラリーマンやOLの人が海外FXで利益を得たので確定申告する際に、たとえば書籍代やインターネットの接続料金などを必要経費として計上しても、あまり疑問に思われることはないでしょう。海外FXのトレードを行うために必要なことだったという説明さえできれば、申告前に心配した以上に必要経費は認めてもらえます。とはいえ、必要経費は、あくまで海外FXで儲けるために必要であった費用に限ることは忘れないようにしましょう。なんでも経費に計上しないように注意してください。

FXトレード以外の経費を計上しない

たとえば、FXの勉強・研究のために購入した書籍は経費ですが、それ以外のプライベートで楽しむ本は経費になりません。FXトレーダーと情報交換のために食事会をしたのであれば必要経費ですが、FXと関係のない友人との飲み会は経費ではありません。こういった混同が多く見受けられるため、一部の税務署では自営業者やサラリーマンの副業に対して注意喚起を行っています。トレードに関係のない個人で使うためのパソコン購入なども経費にできないので注意しましょう。あくまでもFXで利益を生むために必要だったものが経費です。節税を考えるあまり、自分に甘くなってはいけません。領収書の改ざんや水増しは完全に脱税行為です。

節税と脱税は違う

節税で迷ったら、FX関連では利益に関連するかどうかで判断しましょう。脱税行為ととられると所得税法違反となって、悪質な場合には重加算税が課せられます。せっかく稼いだ利益も失ってしまいますし、少しなら大丈夫だろうと考えていると、不正行為が発覚したときにかなりの重圧感があります。なかには、節税行為として認められるかどうか悩ましいものもあるでしょう。そういった場合には税務署に問い合わせをしたり、税理士に相談したりしましょう。

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